宅建業法

Vol.3 「徒歩◯分」表示の新ルールについて解説 — より厳格化された不動産広告のルール

いきなりですが、宅建試験問題です。

※2022年9月1日改正問題
「不動産の表示に関する公正競争規約」に基づく「徒歩◯分」表示に関する記述として、最も適切なものを選びなさい。

  1. 物件の起点として、「敷地の入り口」からの距離を測定して「徒歩◯分」と表示することが認められている。
  2. 施設の起点として、駅の場合は「ホームの中央」からの距離を測定する。
  3. 物件の起点は、「建物の入り口」とし、駅の起点は「改札口または出入り口」として距離を測定する。
  4. 「徒歩◯分」の距離計算には、分速100メートルを基準とする。

 

 

 

 

解答と解説

正解:3

解説

2022年9月1日から施行された改正では、物件の起点は「建物の入り口」と明確に定められ、敷地の入り口は使用できなくなりました。
また、駅やその他の施設(スーパーやバス停など)の起点は「出入り口」や「改札口」と定められています。
さらに、徒歩の所要時間の基準は分速80メートルで計算されるため、選択肢4も誤りです。

こんにちは!
RISO BLOG 店長ハチです。

不動産選びにおいて、「最寄り駅から徒歩何分?」という情報は非常に重要な要素の一つです。

距離が近いほど家賃が高くなる傾向があり、物件の魅力にも直結します。

この「徒歩◯分」という表示について、2022年9月1日から新たなルールが適用され、不動産広告の正確性がさらに求められるようになりました。

今回の記事を読むことで、次の点が理解できるようになります。

  1. 「徒歩◯分」表示の基準
  2.  表示ルールの改正内容
  3.  新ルールによる影響
  4. 「徒歩◯分」表示の新たな適用範囲

1. 「徒歩◯分」表示の基準

まず、一般的に「徒歩◯分」という表示は、「分速=80メートル(m)」を基準に計算されています。

これは、不動産公正取引委員会によって定められた基準であり、例えば「徒歩10分」と表示される物件は、最寄り駅から800m以内にあることが前提です。

これにより、物件選びの際に、実際の距離感と移動時間が比較的正確に把握できるようになっています。

2. 表示ルールの改正内容

今回の改正で、表示ルールがより厳密化されました。
具体的には、物件と駅などの施設との距離を測定する際の起点と着点が明確化されたことが大きなポイントです。

これまでは、物件の敷地の入り口や曖昧な地点から距離を測定することが一般的でしたが、改正後は、以下のようにポイントが定められています。

  • 物件側の起点:建物の入り口
  • 駅やバス停、スーパーなど施設側の起点:その施設の出入り口

例えば、敷地が広いマンションの場合、従来は敷地の入り口からの距離が基準となることが多かったため、実際よりも短い距離が表示されることがありました。

しかし、今後は建物の入り口からの測定が必要となり、数十メートルほど距離が増えるケースも考えられます。

3. 新ルールによる影響

今回の改正により、同じ敷地内に複数の建物がある物件では、棟ごとに徒歩時間が異なることも予想されます。

例えば、A棟とB棟が同じ敷地内にあっても、駅からの距離や徒歩時間に差が出ることがあるのです。

また、今回の改正で新たに認められた点として、スーパーや学校などの施設までの距離も「徒歩◯分」という表示が可能になりました。

これまでは「○○m」という道路距離が表示の基本でしたが、今後は「徒歩4分」などの表現も認められるようになります。

これにより、物件の利便性がより具体的にイメージしやすくなるでしょう。

4. 「徒歩◯分」表示の新たな適用範囲

新しいルールに基づく「徒歩◯分」の表示は、物件を選ぶ際に重要な判断材料となります。

特に、駅からの距離だけでなく、スーパーや学校、バス停など生活に密接な施設との距離も厳密に測定されるため、物件周辺の環境をより正確に把握できるようになります。

これにより、不動産広告の透明性が向上し、入居者にとって安心感のある物件選びが可能になるでしょう。

反面、改正前よりも距離が長くなるケースが増える可能性もあり、物件選びの際には表示をしっかり確認することが重要です。

不動産の表示規約が改正され、「徒歩◯分」表示がより正確かつ厳密になりました。

特に、駅やスーパーなどの施設との距離表示は、今後さらに信頼性が向上し、物件選びの際に役立つ情報となるでしょう。

新ルールを理解し、賢い不動産選びを心がけましょう。

新しい規則を把握していることが、不動産のプロとしても物件の魅力を適切に伝える鍵になります。

まとめ
  1. 「徒歩◯分」表示の基準
    不動産広告で用いられる「徒歩◯分」は、分速80メートルを基準に計算されている
    例:「徒歩10分」と表示される物件は、800メートル以内にあるということ
  2. 表示ルールの改正内容
    2022年9月1日から改正された不動産広告のルールにより、物件の起点や駅などの施設の起点がより明確になった。
    (旧)物件側の起点が「建物の入り口」
    (新)施設側が「施設の出入り口」と定められた
  3. 新ルールによる影響
    この新ルールにより、広い敷地の物件では、これまでよりも表示される徒歩距離が長くなる可能性があることや、同じ敷地内に複数の建物がある場合に、徒歩時間が異なる場合がある。
  4. 「徒歩◯分」表示の新たな適用範囲
    従来は駅までの距離に使われていた「徒歩◯分」表示が、スーパーや学校などの施設にも適用されるようになったこと。
  5. 不動産広告の透明性向上
    新しいルールによって、物件の距離表示がより正確になり、物件選びの際に誤解を招きにくくなった。

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