宅建業法

VOL.4 「〇〇海岸」「〇〇川」が物件名に増える?不動産広告の新しいルールと緩和された規制

いきなりですが、宅建試験問題です。

不動産広告に関する「不動産の表示に関する公正競争規約」が2022年9月1日に改正され、物件名に地域の名称を使用できる条件が一部緩和されました。

※2022年9月1日改正問題
不動産広告に関する「不動産の表示に関する公正競争規約」に関する次の記述のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 物件名に「〇〇海岸」や「〇〇川」といった自然地形名を使用するには、物件がその名称に関連する場所から直線で500メートル以内にある必要がある。
  2. 物件がある場所から道路の名称を物件名に使用する場合、その道路に物件が面していなければならない。
  3. 物件名に「〇〇街道」などの道路名を使用する場合、物件がその道路から直線で50メートル以内であれば使用できる。
  4. 新築物件が未完成の場合、広告に使用できる建物写真は、全て同一の建物である必要がある。

 

 

 

 

解答と解説

正解:3

解説

2022年9月1日から施行された改正では、物件がその道路から直線で50メートル以内にあれば、物件名に「〇〇街道」などの道路名を使用できるようになりました。
選択肢1は、自然地形名の使用に関して「直線300メートル以内」という条件が適用されるため誤りです。
選択肢2は、物件が道路に面していなくても直線50メートル以内であれば使用可能であり、
選択肢4については、未完成物件の広告には、施工者が過去に手掛けた類似建物の写真も条件を満たせば使用可能となっています。

こんにちは!   

RISO BLOG 店長のハチです。

不動産広告に関する規制は年々変化していますが、2022年の改正では一部の規制が緩和されました。

特に、物件名に地名や自然地形を取り入れることに関する規制の緩和は、物件のイメージ戦略に大きな影響を与えるでしょう。

この記事では、緩和されたルールの詳細と、それが不動産広告や物件名にどのような影響を与えるのかを解説します。

今回の記事を読むことで、次の点が理解できるようになります!

  1. 物件名に「海」「川」などの自然地名が使いやすくなった
  2. 街道や通りの名称の使用条件が緩和
  3. 未完成物件の広告写真の規制が緩和
  4. マンション・ポエムが引き続き使用される理由

1.物件名に「海」「川」などの自然地名が使いやすくなった

これまで、物件名に地名や自然地形を使用する際には、厳しい規制がありました。

公園や庭園、旧跡など、特定のランドマークから直線で300メートル以内に物件が位置している場合にのみ、その名称を使用できるという制約があったのです。

しかし、今回の規制緩和により、「海岸」「川」「湖沼」などの自然地形に関する名前も使用可能となりました。

この変更により、今後「〇〇海岸」や「〇〇川」といった物件名が増えることが予想されます。

例えば、海に近いエリアや川沿いの物件では、その自然景観を強調したネーミングができ、より魅力的な印象を与えることができるでしょう。

不動産業界では、地域のブランド力を高めるために、こうした名称の活用が進むと考えられます。

2. 街道や通りの名称の使用条件が緩和

街道や通りの名前に関しても、これまでは物件がその道路に直接面していないと使用できませんでしたが、新ルールでは直線で50メートル以内であれば、街道の名前を物件名に使用できるようになりました。

これにより、物件の立地に合わせた命名がしやすくなり、「〇〇通り」や「〇〇街道」といった物件名が増加する可能性があります。

例えば、歴史的な街道沿いにある物件や、人気のある商店街近くの物件では、地名の持つイメージをうまく活用して物件のブランド価値を高めることができるでしょう。

これも、不動産広告における新たなトレンドとして注目されています。

3. 未完成物件の広告写真の規制が緩和

新築物件の広告に関しても、これまでの規制が緩和されています。

従来、未完成の物件を広告する際には、建物写真として使用できるのは「同一規模、形質、外観の他の建物」に限られていましたが、新ルールでは、施工者が過去に施工した建物であり、類似の規模や仕様を持つものであれば使用できるようになりました。

これにより、物件が未完成でも、視覚的に似た物件を広告に使うことで、より具体的なイメージを伝えやすくなります。

もちろん、実際の物件ではないことを明記する必要がありますが、この緩和によって新築物件の集客活動が容易になることが期待されます。

4. マンション・ポエムが引き続き使用される理由

不動産広告といえば、独特の表現がしばしば使われることで知られています。

特に、最近若者の間で話題となっている「マンション・ポエム」と呼ばれる広告文には、詩的で感性的な表現が多く見られます。

「住む」を「住まう」と表現したり、場所を「聖域(ステージ)」と呼んだりする例が典型的です。

これは、不動産広告において、”「日本一」「最高」「破格」”といった最上級の言葉や価格を強調する表現が使えないため、限られた文言の中で差別化を図る工夫として生まれたものです。

広告デザイン会社の話によれば、こうした表現のほうが実際に良い反応を得られることが多く、現状では効果的なマーケティング手法の一つとなっています。

今回の改正でも、広告で使用できる文言に関する規制の緩和は見送られたため、今後も「マンション・ポエム」のような詩的な表現が不動産広告に多用され続けるでしょう。

今回の不動産広告の規制緩和により、物件名に自然地形や街道名を使用しやすくなり、広告戦略の幅が広がりました。

また、未完成物件の写真使用ルールの緩和も、不動産業界にとっては大きなメリットです。

一方で、広告文に関する厳しい規制が引き続き存在するため、クリエイティブな表現方法として「マンション・ポエム」が今後も注目されるでしょう。

これらの変化を理解し、時代に合わせた広告手法を取り入れることで、より効果的な物件プロモーションが可能となります。

不動産業界で成功を収めるためには、こうした最新のルール変更をうまく活用することが鍵となるでしょう。

まとめ
  1. 物件名に「海」「川」などの自然地名が使いやすくなった
    新しいルールにより、物件名に「〇〇海岸」や「〇〇川」などの自然地名を使用する条件が緩和され、今後こうした名称を含む物件名が増える可能性がある
  2. 街道や通りの名称の使用条件が緩和
    物件がその道路に面していなくても、直線で50メートル以内であれば街道名を物件名に使えるようになり、今後「〇〇通り」や「〇〇街道」などの物件名が増える可能性がある
  3. 未完成物件の広告写真の規制が緩和
    未完成物件の広告に使う写真について、過去に施工した類似物件の写真を使えるようになったことで、新築物件の集客活動がしやすくなる
  4. マンション・ポエムが引き続き使用される理由
    広告で最上級や価格に関連する言葉が使えないため、詩的な表現(マンション・ポエム)が引き続き不動産広告に多用される

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