法律

Vol.63 「ペット可」契約における損害賠償請求

こんにちは!
RISO 店長ハチです。

2024年も残すところあとわずか。

今回は「ペット可物件の原状回復問題」についてお届けします!

今回の記事を読むことで、以下のポイントが理解できるようになります。

  1. 「ペット可」物件の原状回復義務の基本知識
  2.  実際の裁判例を通じた具体例
  3.  賃貸経営者がすべき具体的な対策
  4.  賃貸経営における心構え

1. 「ペット可」物件の原状回復義務の基本知識

ペット飼育で傷・汚損問題が発生するのは、ある意味年末ジャンボと同じくらいの「確率」!?

年末ジャンボ宝くじは夢が広がりますが、ペット可物件で傷や汚損問題が起きる確率は「ほぼ確実」といっても過言ではありません。

今年も猫のひっかき傷やペットの臭い問題で頭を抱えるオーナー様たちの相談が後を絶ちませんでした。

ここで「ペット可契約の損害賠償請求」について、特に注目された裁判例を振り返りつつ、これからの対策を考えます。

2. 実際の裁判例を通じた具体例

注目の裁判例:猫とフローリングの壮絶なバトル

今年も多くのペット関連の原状回復問題が注目を集めましたが、今回は以下の事例に焦点を当てご紹介したいと思います。

築17年、猫1匹可物件での損耗トラブル

退去した賃借人が12年間飼っていた猫によるフローリングの腐食や爪研ぎの被害が、賃借人と賃貸人の間で争点となりました。
(東京地方裁判所平成25年11月8日判決の事例)

3. 賃貸経営者がすべき具体的な対策

2025年に向けたペット可物件のトラブル対策について、賃貸経営者として知っておきたいポイントを以下にまとめました。

  1. 契約書の特約強化
    「ペット可」の条件をさらに明確化し、「傷や汚損が発生した場合の対応方法」や「負担割合」を具体的に記載しましょう。
    例えば、
    「猫1匹=10万円の保証金を預けるルール」など、少々の強気設定が効果的です。

  2. 損傷箇所の写真撮影
    ペット飼育の始めと終わりで写真を撮影し、証拠を確保しておくのも重要。
    これを怠ると、裁判所に「写真がないから信じられない」と言われる可能性が…

  3. ユーモアを取り入れた啓発活動
    「ペットの愛はお金で買えないけど、傷の補修はお金で解決!」というキャッチフレーズで、賃借人に理解を促すパンフレットや掲示を作成してみては?
    思わず「クスッ(笑)」としてしまう説明で感情的な衝突を回避できます。

4. 賃貸経営における心構え

2024年、ペット問題でストレスを抱えたオーナーの皆さん、年末はリラックスして2025年に備えましょう。

猫に引っかかれたフローリングも、

大家さん
大家さん
「ペット可」なのだから仕方ない。
お金で解決できる!

…とは言え、少しは払ってね借主さん!

…と思えるくらいの心の余裕を持つのが賃貸経営のコツです。

猫を飼うと心が癒されますが、オーナーの財布は癒されません。

傷や汚損の問題は、飼い主さんと一緒に解決しましょう!

2025年も笑顔で原状回復問題を乗り切れる年にするため、一緒に知識を深めていきましょう!

まとめ

ペット飼育による損耗が「通常損耗」か「特別損耗」かは、賃料設定や契約内容によって判断が分かれます。

過去に注目された事例(築17年の物件で猫飼育によるフローリング腐食問題)では、裁判所が経年劣化や損傷範囲を考慮して賠償割合を決定しました。

トラブルを未然に防ぐためには、契約書への特約記載、証拠となる写真の撮影、賃借人との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。

トラブルは避けられないからこそ、冷静かつユーモアを忘れず、工夫を重ねて乗り切る姿勢が大切です。

賃貸経営は一筋縄ではいきませんが、ペットのトラブルも視点を変えれば学びのチャンス!

法知識と工夫、そしてユーモアを味方に、2025年も前向きに乗り越えていきましょう!