現場レポート

Vol.83 災害時に役立つ管理物件被害状況チェックシートの活用方法とポイント

こんにちは!
RISO 店長ハチです。

災害が発生した際、賃貸管理業務において重要となるのが、管理物件の被害状況を迅速かつ正確に把握することです。

被災後の初期対応や修繕計画を適切に進めるためには、現地調査とその結果をしっかり記録することが求められます。

そこで役立つのが「管理物件被害状況チェックシート」です。

このチェックシートを活用することで、効率的に被害状況を整理し、オーナーや入居者への対応を迅速化することができます。

今回の記事を読むことで、以下のポイントが理解できるようになります。

  1.  管理物件被害状況チェックシートの目的
  2.  チェックシートの構成と記入方法
  3.  災害発生時の現地調査での活用方法
  4.  災害時の信頼構築のポイント

1. 管理物件被害状況チェックシートの目的

a) 情報整理の効率化

  • 災害時には、多くの管理物件を短期間で調査する必要があります。チェックシートを使うことで、物件ごとの被害状況や対応状況を一目で把握できるようになります。

b) 正確な情報共有

  • オーナーや入居者、修繕業者への情報共有をスムーズに行うためには、現地での確認内容を正確に記録することが重要です。

c) 保険申請や修繕計画の資料として活用

  • 被災後、火災保険や地震保険の申請、修繕計画の立案には、被害状況を証明する記録が必要です。このチェックシートが証拠資料として役立ちます。

2. チェックシートの構成と記入方法

以下はチェックシートの主な項目と、それぞれの記入方法についての解説です。

a) 基本情報

物件名・所在地

管理物件の名称と所在地を記入します。
複数物件を管理する場合に混乱を防ぐため、正確な記録が重要です。

構造(木造/鉄筋コンクリート/その他)

建物の構造を記載します。
被害の程度や修繕方法に影響を与えるため、建物の構造は重要な情報となります。

築年数

建物の築年数を記入します。
耐震基準や老朽化の状況を判断する際に役立ちます。

b) 被害状況

被害の種類(倒壊/部分損壊/軽微な被害)

被害の程度を具体的に記載します。
例:「屋根の一部が破損」「壁が倒壊」など。

安全性の確認(継続居住可能/要修繕/居住不可)

現状で入居者が安全に住み続けられるかを判断します。
危険が伴う場合は、退避指示を行います。

c) 修繕箇所

修繕箇所の特定(壁/屋根/基礎/その他)

修繕が必要な箇所を具体的に特定し記載します。
修繕内容を明確にすることで、業者への依頼がスムーズになります。

d) ライフラインの状況

電気・水道・ガス・通信

ライフラインの復旧状況を確認し記録します。
入居者の生活環境に直結するため、優先的に対応が必要です。

e) 入居者対応

入居者の安否確認状況(済/未済)

安否確認が完了しているかを記録します。
未確認の場合、避難所や現地調査を通じて確認を行います。

避難所案内の提供有無

被災した入居者に対して、適切な避難所情報を提供したかどうかを記載します。

f) 保険と記録

火災保険・地震保険の適用可能性

保険契約内容を確認し、適用の可否を記録します。

写真記録(有/無)

被害状況の写真を撮影し、記録として残します。
写真は後の修繕計画や保険申請において重要な証拠となります。

g) その他

現地調査実施日

調査を実施した日付を記入します。

担当者名

調査を行った担当者の名前を記載します。

備考

その他、特記事項があれば記載します。
例:緊急修繕の必要性、入居者からの要望など。

3. 災害発生時の現地調査での活用方法

a) 現地調査時の記録ツールとして使用

  • 現地調査中にチェックシートを活用し、確認した内容を漏れなく記録します。

b) データベース化による効率化

  • 記録した情報をデジタル化し、クラウドなどで管理することで、複数スタッフ間での共有がスムーズになります。

c) オーナーや修繕業者への報告資料として利用

  • 被害状況や必要な対応をオーナーに報告し、修繕業者への依頼にも活用します。

d) 保険申請のサポートツールとして活用

  • 被害内容を明確にするための証拠として、保険申請時に提出します。

4. 災害時の信頼構築のポイント

管理物件被害状況チェックシートは、災害発生時における情報整理と対応の効率化に欠かせないツールです。

物件の被害状況や入居者の安全確認を迅速に進めることで、オーナーや入居者からの信頼を得ることができます。

また、保険申請や修繕計画にも役立つため、平時からチェックシートを準備し、災害時にすぐに活用できる体制を整えておきましょう。

どんな状況でも冷静に、そして迅速に対応できる準備をしておくことが、信頼される賃貸管理業務の基本です。

まとめ

今回は管理物件被害状況チェックシートについてご紹介させて頂きました。

当該チェックシートは、災害時の迅速な対応を可能にし、正確な情報記録や効率的な調査を支える強力なツールということがご理解いただけたかと思います。

平時からの準備と適切な活用を徹底し、オーナーや入居者からの信頼を築くための基盤として活かしましょう。

参考までに当社の「管理物件被害状況チェックシート」も貼り付けておきます!
管理物件被害状況チェックシート