Vol.72 ペット可物件の契約更新時の注意点と交渉術

a) 飼育可能なペットの種類

• 種類の変更がないか
  例えば、最初の契約では「小型犬と猫が飼育可能」だったのが、更新時に「小型犬のみ」や「猫のみ」と条件が変更されている可能性があります。

• 特定の動物が禁止されていないか
  契約書に「特定の犬種（例：大型犬や特定犬種）が禁止」などの新しい条件が追加されていないか確認します。

b) 飼育可能な頭数

• 頭数の制限
  契約更新時に「ペットは1匹まで」と明記される場合があります。すでに複数匹飼育している場合は管理会社やオーナーに相談が必要です。

ｃ）ペットのサイズや体重の制限

• サイズや体重条件の変更
  「体重10kg以下のペットのみ」などの制限が追加されている場合、現在飼育しているペットが条件に適合しているかを確認します。

d) 飼育場所の指定

• 室内飼育の条件
  更新時に「ペットは完全室内飼育のみ許可」や「バルコニーでの飼育禁止」などの条件が追加されることがあります。

e) 飼育に伴う費用の負担

• 追加敷金や礼金の変更
  「ペット飼育に伴う追加敷金が必要」といった新しい負担が発生していないか確認します。

• 月々のペット費用
  一部の物件では、ペットの飼育に応じて追加の月額費用が設定される場合があります。

f) ペットによる損傷やトラブル時の責任範囲

• 損傷時の修繕費負担条件

更新時に「ペットによる壁や床の損傷は全額借主負担」などの新しい特約が付け加えられていないか確認します。

• トラブル発生時の対応規定

「近隣住民からの苦情が一定回数を超えた場合、退去を求める」などの条件が追加されていないかもチェックが必要です。

g) ペット関連の設備やルール

• 設備利用の条件

共有部分（エレベーターや廊下など）でのペットの移動方法（例：ケージに入れる、リードを短く持つなど）が明記されることがあります。

• 施設の利用制限

ペットの使用が許可されていた施設（庭やペット専用スペース）が更新後に制限される可能性があります。

h) その他の特約条件

• 訪問するペットの制限

自分のペット以外に友人や親戚のペットが訪問することが禁止される場合があります。

• ペットの種類の追加承認

新たに飼育するペットがいる場合、管理会社やオーナーの事前承認が必要となる場合があります。

• 更新料の金額や敷金の追加要求が発生することがあるため、具体的な金額や理由を確認します。
• 敷金がペットによる修繕費用として利用される場合があるため、透明性を求めることが大切です。

更新料の理由

• 「家賃が改定されたため」「近隣物件の相場が上がったため」など、値上げや追加請求の理由が曖昧でないかを確認する。
• ペット飼育を理由とする場合、具体的にどのような費用が発生する可能性を見越しているのか明細を求める。

敷金追加の理由

• 「損傷が増えるリスクがある」「清掃費用が多くなる可能性がある」など、明確な根拠を説明してもらい、不当な請求でないか判断する。

•  契約書や特約の再確認：最初の契約書に更新料や追加敷金についての記載があるか確認する。
•  交渉を検討する：理由が納得できない場合、金額の見直しや分割払いなどを交渉する。
•  専門機関への相談：不当請求と感じた場合は、国民生活センターや弁護士に相談する。

•  更新前に管理会社やオーナーから苦情やクレームがあったかどうかを確認し、トラブルがある場合は解決策を提示します。

苦情例

「ペットの鳴き声がうるさい」と近隣住民からクレームが入った場合。

解決策

•  防音対策を実施
  ペットが活動する場所に防音マットを敷いたり、部屋の家具配置を工夫して音漏れを防ぎます。

• ペットのしつけを強化
  専門のトレーナーに依頼し、過剰な鳴き声を抑えるトレーニングを行います。

• 活動時間を調整
  近隣住民が気になる夜間の活動を制限し、日中に運動や遊びを集中させます。

苦情例

「ペットの臭いが廊下や部屋に漏れている」と管理会社から指摘された場合。

解決策

• 空気清浄機や消臭剤の導入
  臭いが発生しやすい場所に空気清浄機を設置し、専用の消臭スプレーや消臭剤を使用します。

• 清掃頻度を上げる
  ペットのトイレや寝床をこまめに清掃し、臭いの原因を根本から解消します。

• 換気を徹底
  部屋を定期的に換気し、新鮮な空気を取り込むことで臭いを減らします。

苦情例

「ペットが壁や床を傷つけている」と修繕を求められた場合。

解決策

• 傷の補修を自分で実施
  軽微な傷であれば、ホームセンターなどで購入できる補修キットを使用して自分で直します。

• 専門業者に依頼
  損傷が大きい場合は、プロの業者に依頼して修繕を行います。その際、修繕費用について管理会社と相談することも重要です。

• 保護材を設置
  壁紙や床に透明フィルムや保護シートを貼り、以後の損傷を防ぎます。

苦情例

「ペットの移動時にマナーが守られていない」と苦情が入った場合。

解決策

• 移動時のマナーを徹底
  エレベーターや共用部ではペットをケージに入れる、リードを短く持つなどのルールを守ります。

• 挨拶やコミュニケーションを取る
  近隣住民に日頃から挨拶をし、ペット飼育についての理解を得る努力をします。

• お詫びの品を渡す
  迷惑をかけた場合は、菓子折りなどのお詫びの品を渡して誠意を示します。

苦情例

「契約違反でペットを多頭飼育している」と指摘された場合。

解決策

• 頭数を契約条件に合わせる
  家族や知人にペットの引き取りを依頼するなど、契約条件に合うよう対応します。

• 条件変更の交渉をする
  管理会社やオーナーに特例として頭数を許可してもらえるよう、追加敷金の支払いなどで交渉します。

苦情例

「修繕費用を支払うよう求められた」が高額で困っている場合。

解決策

• 明細を確認し、妥当性を判断
  修繕内容や費用の明細を確認し、不明な点があれば詳細を問い合わせます。

• 分割払いを相談
  一括払いが難しい場合は、管理会社やオーナーに分割払いの交渉を行います。

• 誠意を見せる
  問題が発生した場合には、真摯な態度で謝罪し、解決に向けた具体的な提案をします。
• 迅速に対応する
  苦情やクレームに対して迅速に行動することで、信頼関係を回復しやすくなります。

• 専門機関の助言を活用
  自分で解決できない場合は、専門のペット相談窓口や消費生活センターに相談するのも有効です。

• ペット飼育を理由に家賃や更新料の値上げを要求される場合があります。この際、値上げの理由が妥当であるかどうかを確認しましょう。

• 同条件の物件を調べる
  近隣エリアの同じ家賃帯やペット可物件の家賃相場をインターネットや不動産サイトで確認します。相場よりも極端に高い値上げであれば、妥当性を疑うべきです。

• ペット可物件の追加費用を確認
  他のペット可物件で、家賃や更新料がどの程度増加しているかを調べ、比較します。

• 近隣相場の上昇
• ペットによる修繕費用の増加
• 建物全体の維持管理費の増加
• 修繕や管理費の明細を要求する

• 周辺相場が上がっている。
• 建物の価値が上がっている（リノベーションや改修工事があった場合）。
• オーナーの経済事情が変化した（ただし、これだけでは正当化されません）。

• • 値上げ幅の妥当性を交渉
    提示された値上げ額に納得できない場合、具体的な相場データや契約条件をもとに交渉を試みます。

• 追加条件の変更を提案
  敷金や更新料の負担軽減など、別の条件を交渉することで実質的な値上げ負担を抑える方法もあります。

• 国民生活センター
  値上げ理由が不明確で不当だと感じた場合、国民生活センターに相談してアドバイスを受ける。

• 弁護士や司法書士
  値上げ額や契約条件が不当であると判断した場合、弁護士や司法書士に相談して法的対応を検討します。

負担増加が大きい場合の対応

値上げが妥当であるとしても、負担が大きすぎる場合には、他のペット可物件への引っ越しを検討することも選択肢の一つです。

値上げの理由を管理会社やオーナーに具体的に確認し、不明点があれば説明や明細を求めることが重要です。

また、周辺相場や特約条項を調査して正当性を判断し、場合によっては交渉や第三者機関への相談を検討することで、不必要な負担を避けることができます。

ペットが部屋に損傷や臭いを残していないか確認し、必要に応じて修繕や消臭対策を行います。

a-1. 壁の引っ掻き傷や汚れ

• 軽度の引っ掻き傷の場合
  壁紙用の補修シートや壁紙ペンを使用して、目立たないように修繕。

• 広範囲の損傷の場合
  部分的に壁紙を張り替える。ホームセンターで必要な道具を購入するか、専門業者に依頼する。

a-2. フローリングの傷

• 浅い傷の場合
  フローリング用補修クレヨンやパテを使用して目立たなくする。

• 深い傷の場合
  フローリングの一部を張り替えるか、傷部分を補修する専門業者に依頼。

a-3. カーペットの汚れや破損

• 汚れの場合
  専用のカーペットクリーナーやスチームクリーナーで清掃。

• 破損の場合
  部分的なカーペットの張り替えを行う。

a-4. 扉や家具のかじり傷

• 軽度の場合
  木材補修用ペンやパテを使って傷を埋める。

• 深いかじり傷の場合
  扉全体の交換や、家具の修理を検討。

b-1. トイレの臭い

• 原因箇所を特定
  臭いの元となるトイレ周辺やその下の床を確認。

• 対策
  重曹や酢を使った拭き掃除を行い、その後ペット専用の消臭スプレーを使用。

b-2. 全体的な臭い

• 空気清浄機の使用
  ペット臭専用フィルターを搭載した空気清浄機を導入し、室内の空気をきれいにする。

• 換気を徹底
  定期的に窓を開けて換気し、新鮮な空気を取り入れる。

b-3. 壁や床に染み付いた臭い

• 壁の消臭
  壁に染み付いた臭いは、消臭剤を壁全体に噴霧して対応。

• 床の消臭
  酵素系クリーナーを使って臭いの元を分解。必要であれば床の張り替えも検討。

b-4. ペット専用消臭アイテムの使用

• 消臭マットや消臭シートを設置して臭いを吸収。
• 市販のペット専用消臭剤を使用し、臭いを取り除く。

c-1. 定期清掃

• 毎日の掃除機がけで毛やほこりを除去。
• ペットが過ごす場所を重点的に拭き掃除。

c-2. ペットの体を清潔に保つ

• ペットの体臭を抑えるために定期的なシャンプーを実施。
• 爪切りや毛のブラッシングを行い、部屋を汚さない工夫。

c-3. ペットトイレの管理

• トイレの掃除を毎日行い、専用消臭剤を併用。
• ペットシーツや猫砂をこまめに交換して臭いを防止。

d-1. 修繕業者

壁紙やフローリングの大規模な損傷、家具の修理などは、専門業者に依頼することで確実に修繕が可能。

d-2. 消臭業者

•  臭いが部屋全体に広がっている場合は、特殊清掃業者に依頼して徹底的に消臭
  
  ペットによる損傷や臭いは、日常的なメンテナンスや簡易的な修繕・消臭対策で対応できる場合が多いですが、深刻な場合は専門業者のサポートを検討するのが効果的です。早めの対処がトラブルを防ぐ鍵となります。

更新条件に不明点があれば、早めに管理会社やオーナーに確認し、納得できるまで交渉を行います。

• 家賃の値上げ幅を抑える交渉
  提示された値上げ額が相場より高い場合、エリアの家賃相場を示しながら、「このエリアのペット可物件では家賃が○○円なので、値上げ額を抑えてほしい」と交渉します。

• 更新料の免除または減額交渉
  　更新料が初回契約時に説明されていなかった場合や、高額すぎる場合は、「契約時に更新料がかからないと聞いていたので、今回は免除または減額してほしい」と提案します。

• ペットの種類や頭数の許可
  新しくペットを迎えたい場合や、すでに飼育しているペットの頭数が増えた場合に、「追加の敷金を支払う」「ペットのしつけを保証する」などの条件を提示し、特例で許可をもらう。

• ペットの体重やサイズ制限の緩和
  契約書に記載された「体重○○kgまで」などの制限に引っかかる場合、ペットの性格や飼育環境を説明して許可を求めます。

• 追加敷金の分割払い
  「一括で追加敷金を支払うのが難しいので、分割で支払うことを認めてほしい」と提案。

• 敷金の返還条件を明確にする
  「ペット飼育に関して、どのような損傷が敷金の差し引き対象になるのかを具体的に明示してほしい」と依頼。

• 負担割合の見直し
  「通常使用の範囲内の汚れや損傷は経年劣化として扱い、負担割合を見直してほしい」と要求。

• 事前の自主修繕で費用を抑える交渉
  「退去前に自主的に修繕や清掃を行うことで、負担額を減らしてほしい」と提案。

• 短期または長期契約の選択肢を増やす
  「長期間住む意志があるので、更新期間を2年ではなく3年に延長してほしい」などの交渉を行い、安定的な住環境を確保。

• 短期更新で柔軟性を求める
  「転勤の可能性があるため、更新期間を1年にしてほしい」と柔軟な契約を提案。

• ペット対応の設備設置
  「フローリングに傷がつきやすいため、ペット対応の保護シートを設置してもらえませんか？」など、設備改善を依頼。

• 清掃サービスや消臭対策の提供
  「退去時の消臭作業をオーナー側で手配していただければ、費用負担に応じます」と交渉。

• 特約内容の削除や変更
  「契約書に記載されているペット関連の条件（例：ペット飼育による強制退去の条件など）が厳しいため、削除または緩和してほしい」と提案。

• トラブル時の対応策の明確化
  「ペットに関するクレームが発生した場合、管理会社と事前に相談の場を設けることを契約書に明記してほしい」と依頼。

• 設備の修繕を条件に交渉
  「家賃の値上げに応じる代わりに、壁紙の張り替えやエアコンの交換を行ってほしい」と条件を追加。

• 更新料免除を条件に長期入居を約束
  「更新料を免除していただければ、あと3年以上住むことを約束します」と提案。

• 騒音や臭いに対する対策を示して信頼を回復
  「防音マットを追加で敷き、空気清浄機を設置するので、更新を許可してほしい」と交渉。

• 家賃の値上げ幅を抑える交渉
  提示された値上げ額が相場より高い場合、エリアの家賃相場を示しながら、「このエリアのペット可物件では家賃が○○円なので、値上げ額を抑えてほしい」と交渉します。

• 更新料の免除または減額交渉
  更新料が初回契約時に説明されていなかった場合や、高額すぎる場合は、「契約時に更新料がかからないと聞いていたので、今回は免除または減額してほしい」と提案します。

• ペットの種類や頭数の許可
  新しくペットを迎えたい場合や、すでに飼育しているペットの頭数が増えた場合に、「追加の敷金を支払う」「ペットのしつけを保証する」などの条件を提示し、特例で許可をもらう。

• ペットの体重やサイズ制限の緩和
  契約書に記載された「体重○○kgまで」などの制限に引っかかる場合、ペットの性格や飼育環境を説明して許可を求めます。

• 追加敷金の分割払い
  「一括で追加敷金を支払うのが難しいので、分割で支払うことを認めてほしい」と提案。

• 敷金の返還条件を明確にする
  「ペット飼育に関して、どのような損傷が敷金の差し引き対象になるのかを具体的に明示してほしい」と依頼。

• 負担割合の見直し
  「通常使用の範囲内の汚れや損傷は経年劣化として扱い、負担割合を見直してほしい」と要求。

• 事前の自主修繕で費用を抑える交渉
  「退去前に自主的に修繕や清掃を行うことで、負担額を減らしてほしい」と提案。

• 短期または長期契約の選択肢を増やす
  「長期間住む意志があるので、更新期間を2年ではなく3年に延長してほしい」などの交渉を行い、安定的な住環境を確保。

• 短期更新で柔軟性を求める
  「転勤の可能性があるため、更新期間を1年にしてほしい」と柔軟な契約を提案。

• ペット対応の設備設置
  「フローリングに傷がつきやすいため、ペット対応の保護シートを設置してもらえませんか？」など、設備改善を依頼。

• 清掃サービスや消臭対策の提供
  「退去時の消臭作業をオーナー側で手配していただければ、費用負担に応じます」と交渉。

• 特約内容の削除や変更
  「契約書に記載されているペット関連の条件（例：ペット飼育による強制退去の条件など）が厳しいため、削除または緩和してほしい」と提案。

• トラブル時の対応策の明確化
  「ペットに関するクレームが発生した場合、管理会社と事前に相談の場を設けることを契約書に明記してほしい」と依頼。

• 設備の修繕を条件に交渉
  「家賃の値上げに応じる代わりに、壁紙の張り替えやエアコンの交換を行ってほしい」と条件を追加。

• 更新料免除を条件に長期入居を約束
  「更新料を免除していただければ、あと3年以上住むことを約束します」と提案。

• 騒音や臭いに対する対策を示して信頼を回復
  「防音マットを追加で敷き、空気清浄機を設置するので、更新を許可してほしい」と交渉。

• 近隣住民への誠意を示す
  「近隣住民に迷惑をかけた点を改善する努力を行いますので、契約更新を続けさせてください」と誠意を伝える。

• 物件やエリアの空室状況を事前に調査することで、交渉の余地があるかを判断します。
• 空室が多い場合、値上げの撤回や条件緩和を交渉しやすくなります。

ペットのしつけが十分であることや、近隣住民とのトラブルがないことを説明し、管理会社やオーナーに安心感を与えます。

長期的に住み続ける意志を伝えることで、オーナーにとってのメリットを示し、条件の緩和を引き出します。